雪の週末・・・・・・・
■ 天気は雪の予報。
今日と決めていた。
移動は何時ものように最寄の交通機関。
地下鉄で博多駅へ。
博多駅から新幹線に乗り継いで南福岡へ。
水気を含んだ大きめの雪が舞う。
荷物もあったのでタクシーに乗って春日の西小学校前まで。
昨年の夏、『隣の店舗が空いたのでギャラリーのスペースを広げようかと・・・・・・』言っていたカフェの主人。
『新しいギャラリーにて初企画展です。ぜひ遊びに来て下さい。』
田村真理子さんの個展のDMに添えられていた言葉。
半年の短い期間でその計画を実現したのだ。
Cafe & Gallry Nabeの主人ワタナベさん。
実現は経営の手腕とお人柄によるところが大きいのだろうが、そのフットワークの良さに敬服。
田村真理子さんの活動は随分と前から注目していた。
唐津、百道のハイアット、志摩の「MA」・・・・・そして芸術村。
場所を変えながら精力的に様々なアプローチを試みていた。
個展にも何回かお邪魔した。
和紙を素材にした艶やか(私的感想)な造形は私のお気に入り。
今回の個展では和紙の作品の他にアクセサリーを展示していた。
『ビジネスです』と言いきる。
「創りたいもの」がビジネスに直結していれば理想だが、得てして「創りたいもの」はビジネスとは無縁であったりもする。
私もアクセサリーを作った事がある。
モビールやサーカスで有名なカルダーやHIRONENのアクセサリーに刺激された事もある。
「身に着けられるアート」・・・・・そんなスタンスの作品があってもよいと思った。
身近な人・・・・・・対象のはっきりとした中での創作は楽しくもあった。
そんな事で田村さんがアクセサリーを手がけていた事はなんの違和感も無かった。
素材は既成だと言うが、やはりその選択と造形には研ぎ澄まされた感覚が感じられた。
オブジェ同様に十分に楽しめた。
カフェに移って、楽しみにしていたカレーを頂く。
連れ合いと違うものを頼んで「ハーフ&ハーフ」。
ワタナベさんご夫婦の人柄が招くお客さんが入れ替わり立ち代り。
居心地良さに2時間半もお邪魔してしまった。
外を観ると雪が向かいの建物の所在を消している。
カフェの前にあるバス停から、後ろ髪を引かれる思いで大橋に向かう。
■ バスは西鉄大橋駅の東口に止まる。
連れ合いは用事があったので此処で別れる。
私は西口に抜けて知人のアトリエに向かう。
雪は本格的。
坂の先にあるスロープのついた階段を上る。
上りきると住宅街が広がる。
生垣のある建物の沿って回り込む。
ガレージの入口に掛かった赤い「9」の文字。
ガレージの奥にある小さな木の扉を開けるとそこが「アトリエ 9」。
使い込まれた工具や道具類、調理器具、製図道具、ボルト、錆付いた船釘・・・・・・。
知人の作家が創作する焼物の食器やオブジェ。
作家でもありオーナーでもあるKumicoさんが愛情を持って集めたコレクションの数々。
勿論、自身のバルサを素材にした飛行機やロボット、ワイヤー・クラフト、絵画などの作品も、それらと心地よい関係を持ってそこに在る。
ここにしかないものが在る。
作品、コレクション、家具、空間・・・そこに在るもの全てが私の好み。
言い換えれば、1つとして嫌いなものが無い。
そんなお気に入りの店。
出会いは直感だった。
情報雑誌で見た顔のある赤い飛行機。
何故か目が離れなかった。
「この飛行機の向こうに何かある・・・・・。」
そう感じた。
記事を読めば、近くに居を構える知人のデザイナーF氏が空間を設計施工。
作家仲間で造った心地のよい「居場所」だと知る。
デザイナーF氏が開く曜日限定のカフェがオープンする日を選んで連れ合いと出かけた。
昨年の5月の事。
その直感は間違っていなかった。
訪れて意気投合してしまった。
言われて思い出した。
随分前だが、お会いしていた事を。
そんな下地があったのかもしれない。
カフェNabeのワタナベさんと再会させてくれたのもKumicoさん。
作品の事、素材の事、これからの事・・・・・話す事は沢山あった。
居心地の良さに2時間。
遠慮の無い私。
このアトリエを探すには少しの努力が必要かもしれない。
が、探し当てた時には何か大切なものが見つかるかもしれない・・・・・・・そんなお店です。
■ 雪は少し小降りになっていた。
時間を見ると5時をまわっていた。
少し足早に駅に向かう。
大橋から西鉄電車で天神へ。
天神から地下鉄で西新へ。
傘や頭の雪を払いながら階段を下りてくる仕事帰りの人たち。
見上げる空は白の点模様。
西新商店街の一角にある人気の通り。
その中ほどにある「オーストラリアン ビーンズ カフェ」の2階。
今日1日だけの作品展。
「ペペのへんてこな生きもの展」。
作家はペペ&ネコルのペペさん。
テーブルに並べられた「へんてこな生きもの」はクレイを素材に缶やガラス瓶、針金を芯にして作られている。
造形は自由。
ディテールやリアルに興味は無い。
手の感触やその後の彩色を楽しんでいる様にも見える。
軍手を素材にした作品が面白い。
軍手の中にクレイを入れて造形している。
網目が彩色に豊かな表情を与えている。
ペペさんは多才な作家。
絵も描くしオブジェも創る。
家具も創る。
音楽家でもある。
CDも出している。
人が聞いたら不思議に思うかもしれない。
もしかしたら「へんてこ」なのは作家自身かもしれない。
「へんてこ」それは大事な個性でもある。
自由な創作を観て私も「へんてこ」になりたいと思った。
次のお客さんが来たのを期に会場を後にした。
雪はまだ降り続いていた。
雪を楽しみながら、盛り沢山の週末・・・・・・・・。
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