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2009年5月 3日 (日)

U工芸にて・・・・・・

 久しぶりに仲畑にある知人の鉄工所U工芸に。

作品のパーツの製作。

仕事は任せたいのだが許して貰えない。

私が参加する事を当たり前としている。

勿論、その事に問題は無い。

今回も原寸図、パーツの加工を担当。

Photo

鉄工所独特の鉄やオイルの匂い、溶接の火花、ガスの炎・・・・そこに居るだけ良い。

工房の雰囲気を楽しみながらU工芸の主人さんと出会った昔の事を思い出していた。

さんとは40年らいの付き合い。

はじめての出会いは東京。

さんは什器や装飾金物を製作する亀戸に在ったA工芸社の職人として働いていた。

ここの社長の話。

A工芸社には什器の製作依頼で何度となく訪れていた。

工場の上にある事務所は畳敷き。

大きなガラスケースが目を引く。

はじめて訪れた時は驚いたが、ケースの中にはワニが棲んでいた。

社長の趣味。

社長はスポーツ新聞と赤鉛筆を片手にラジオに繋がれたイヤホーンを耳にしている。

何時もの事。

我々が来たのを知ると、体は私達の方に向けてくれるが神経は中継されているレースに集中。

社長の顔が変わり、イヤホーンが外されたところで打ち合わせがはじまる。

見逃さない、聞き逃さない・・・・社長は集中する。

レースと同じ。

質問を重ね、我々の意図するところを理解する。

助言や提案・・・・積み重ねられた経験でベストを探していく。

力強いパートナーであった。

この工場で作られる什器や装飾金物の数は並の数では無かった。

一つのデザインが万単位で作られていた。

唐草模様を曲げる為のベンダーも自ら開発した。

その頃、その界隈にはそんな型破りな経営者や職人さんが多くいた。

私はこのA工芸社でリアルな金物のイロハを習う。

「この径のパイプはこの曲げが限度。」

「綺麗に曲げるにはパイプの中に砂を入れて曲げる。」

「この鉄板の厚さでは熱を当てた時に歪むヨ!」

「ここは印籠継ぎで・・・・」

「メッキが綺麗に上がる様にここに穴を・・・・・」

いまでは当たり前のような事を稚拙な図面を前に教えてくれた。

型破りな職人さんたちは優しくもあった。

40年近く前の話。

年中無休で工房に通うさん。

仕事が好きなのか?工房が好きなのか?・・・聞いた事はない。

朝も早い。

5時には家を出て工房に向かう。

子供のように笑う。

「-を+に」

「常に考える」

「間を取る」

「挑戦 実行」

「実行」

工場の壁には忘れまいと、教訓の言葉が並ぶ。

心優しいアナログな職人はポジティブな精神の持ち主でもある。

A工芸社に居た頃と変わらない。

そんなさんに助けられて、予定の製作を無事終了。

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コメント

たびたびすいません。
専門用語が出てくると、どうしても
コメントしたくって!
「印籠溶接」建築では、鞘管溶接が
それだと思います。
刀の刃と鞘の理屈で、強度を増すための
技法、店主が使用する材料は、ステンレス
じゃないかと?そうすると、溶接はアルゴン溶接
建築の業界では鉄の材料に対して「色物」と
呼んでいます。
私も直接、溶接棒を握って、この色物に挑戦
した事がありますが、鉄物(仕上げにペンキなどを
施す)に対して、そのものが仕上がりなので
プロの様にはいきません!
チョット、コメントしたくって
U工芸の社長さん、今日も春の天皇賞、やきもき
しながら・・・お仕事をしているの、目に浮かびます(・∀・)ニヤニヤ
       すみません・・・ヒデ爺

投稿: ヒデ爺 | 2009年5月 3日 (日) 20時02分

ヒデ爺さんへ

少し専門的ですがご推察の通りです。
そう言えば、技術を見込まれてステンレスのシンクの製作も手がけていました。
アルゴン溶接に間違いありません。
印籠継は他にカシメやピンなどで仕上げていたと記憶しています。

少し加筆しました。
書き方がふくそうして誤解されてしまった様ですが。U工芸のIさんは仕事一途な人で、レース好きはIさんの勤めていたA工芸社の社長です。
この記事には続きがありあます。
また、コメント楽しみにしています。

投稿: 羽川再生堂 | 2009年5月 4日 (月) 07時05分

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