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2009年5月19日 (火)

蜥蜴・・・・・・

 陽を受けて、積まれた石垣の石が温まるとその隙間から顔を覗かせていた。

艶の無い褐色の鱗を持ったカナヘビや玉虫色に光るトカゲ。

遊んだのは少年時代の思い出。

怖がるような事は無かった。

掌に乗せ,その細部を観察した。

子供の悪意の無い無邪気な好奇心だった。

強い生命力を持った原始の姿は、何か惹かれるものがあった。

そんな事もあってか、創作をはじめた頃にトカゲをモチーフにした作品をよく作った。

Photo_2

真鍮のワイヤーで作った一輪挿しがはじめだった。

石をベースに試験管を水入れに使った。

着色したフォトフレームには真鍮の板を加工した。

和紙の照明スタンドには同じ和紙を切り抜いてシルエットに・・・・・・。

いろいろとアレンジした。

世紀末のデザインを感じていた。

Photo

左のトカゲの絵は1992年に開催した個展に使ったDMの原稿。

針金と真鍮板を素材にしたトカゲの作品を個展のイメージ・キャラクターとした。

イラストレーターの土器氏からプレゼントされた贅沢な案内を会場の表に設置した。(写真右)

壁面に並べた一輪挿しにはバラの花を生けた。

一輪挿しは追加のオーダーを受けるほどだった。

意外な反応に驚いた。

この個展をはじめに、その後もいろいろと手を加え個展の度に発表した。

風軒さん(U工房にて-Ⅱ)に影響された鍛造風のような仕様の作品も試した。

Photo_2

糸鋸で加工した素材を火であぶる。

Photo_3

金属は柔らかくなる。

Photo_4

金床に乗せて専用の金槌で加工。

鎚目のついた金属は緩やかな膨らみを持ちながら硬度を増す。

再びバーナーで焼きなます。

金床に乗せて叩く。

繰り返す。

気持ちは鍛冶屋・・・・・・・。

Photo

鉄を素材にしたモノはそのリアリティに年配の方は眉を顰めた。

真鍮を素材にしたモノはアクセサリーのような感覚で女性にも受け入れられた。

Photo_6

Photo_7

家を守るヤモリと重ね合わせ、壁に飾る方も多かった。

カフェの壁にトカゲだけを飾りたいと、変わったオーダーも受けた。

仕様を変えて製作した。

壁の高い場所、目線を外した位置に取り付け、発見した人だけが味わえる驚きを意図としていた。

その洒落っ気が嬉しかった。

仕事場には程よい風合いに仕上がった試作品を残すだけだが、初心を思い出させてくれる作品である。

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コメント

こんにちは。
やってましたね!少年時代、しっぽを持って
振り回し、きずいたら尻尾の先端だけが
彼らか、彼女かは分らないが捨て身の脱出?
とかげと言えば二つ三輪明宏さんのはまり役
「黒とかげ」直感で書いてしまって、内容は
知りませんので、もう一つ
バルセロナ・グエル公園正面階段に横たわる
カラフルな大トカゲと正面門扉にあしらわれた
トカゲ?ヘビ?コウモリ?の鉄飾りが・・・
このグエル公園、グエル伯爵とガウディ
今、で言えばデベロッパーとゼネコン(設計者)
これが、住宅地としてもし、完成していたら?
でも想像はできません、奇才ガウディの作ですから
懐かしく思いだされます。
鉄のたたき出しは、トカゲの肌にピッタシですね
そうそう、店主の初期の作品で灰皿の上に乗る
「ワイヤーキャット」ひげの部分の「はんだ」が
とれれバラバラになってしまいました
すみません、手荒に扱ってしまい
修理に持ってうかがいますので、その節は
よろしくおねがいいたします。
お会いできるの(半年ぶり)楽しみにして
おります。( ^ω^ )
            ヒデ爺でした。

投稿: ヒデ爺 | 2009年5月21日 (木) 14時43分

ヒデ爺さんへ

冒頭に書こうかと思ってました。
「蜥蜴」と聞いて三輪明宏をイメージする人は同年代・・・・・と。
やはりイメージしてしまいますよネ。

ガウディ・・・・今だから評価出来ますが、当時はかなりの批判があったと推察出来ます。
自分を貫き通す・・・・大変な事です。

当時はハンダ付けしか技術を持ち合わせていませんでした。
ハンダの限界は充分に経験しました。
で、ロウ付けや溶接・・・・いろいろと勉強しました。
今は用途にあわせて、ロウ付けとハンダを併用しています。
どこまで修復出来るか分かりませんが、お持ち下さい。
出来る限りの事はさせてもらいます。

投稿: 羽川再生堂 | 2009年5月21日 (木) 21時05分

こんにちは!
ご無沙汰しております(^^)ニコ

糸鋸でイモリ?ヤモリ?・・・

曲線が本物みたいです。

鉄に息を吹き込む羽川さんの繊細さを見習わないと(笑)

ちなみに目はどうやって何を・・・・・

投稿: n-steel | 2009年5月26日 (火) 12時26分

n-steelさんへ

コメントありがとうございました。
こちらこそご無沙汰しています。

ハララさんのブログで見覚えのあるマシーンを発見しました。
パンチング・マシーン・・・・やはりインパクトがあります。
今度は動いているところを観たいです。

階段も炙りも興味深く拝見させて頂きました。
炙りは生唾ものでしたが・・・・・。

イモリ、ヤモリ・・・・種は見る方に任せています。
目は径5mmの真鍮球をロウ付けしています。
径1~10mm位まで鉄と真鍮の球を用意しています。
いろいろと使い分けています。
昔の作品の指の先には径2mmの真鍮球が付けてあります。
この頃はハンダ付けです。
強度に問題があります。
毎回勉強です。

投稿: 羽川再生堂 | 2009年5月26日 (火) 20時06分

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