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2014年3月

2014年3月24日 (月)

希望の宝珠・・・・・・・・

 加布里漁港に在る人気のランチ&カフェのお店 踵屋敷

一日10食限定のランチは予約を入れないとなかなか有りつけない。

大きなカップでたっぷりと提供されるチャイやココナッミルクティーも人気。

店主のAさんの人柄が呼ぶお客さんも多い。

Aさんが集める雑貨や骨董も楽しい。

お店全体が宝箱の様。

その中に私の作品「始まりはキングストン」も並んでいる。

誰かに話したくなるお店である。

私たちが加布里に引っ越して来た当初から店主のAさんには何かとお世話になっている。

自宅展の時などはAさんの案内のお蔭で楽しい出会いを沢山頂いた。

そのAさんからのオーダー。

Dsc03783

   オリジナルの〝天駆ける〟はオートマタとしては珍しい縦型の構成が特徴

オリジナルの作品〝天駆ける〟を見て、「お店の壁面に取り付けられないか?」と・・・・・・。

〝天駆ける〟は「様々な願いが叶えられる言う如意宝珠を追いかけながら天に昇って行く龍」・・・・・・・・そんな物語を持った電動の作品。

オープン時間中は動かしておきたいとの希望。

長時間の可動はウインドウディスプレイの仕事で経験している。

折角だから、お店の環境に合わせて作らさせて頂く事にした。

言えばオーダーメイド。

カウンター奥の下がり天井の側面。

中央部に3寸角(約9㎝角)の角材が縦に化粧で見えている。

その角材に取り付ける事にした。

オリジナルより全体的に大き目にデザインを変える。

雲の造形も新しくデッサンする。

勿論環境に合わせてだが、同じモノを作る退屈さも避けたかった。

良い緊張感を持ちたかった。

欲張りである。

取り付けをどうするか?

縦を横にしてそのまま取り付けるのも芸が無い。

出来ればその場所に昔からある様な感じにしたかった。

既存の化粧柱から木鼻が出ていてその上にオブジェが乗るようなデザインを思いついた。

木鼻とは,木の端と表される様に柱の上部に横に貫いている頭貫や虹梁と呼ばれる梁の端に付けれた彫刻の事。

神社仏閣の建築では装飾的な木鼻が多く見られる。

龍はオリジナルをベースに一回り大きくデザイン。

何時もの事だが途中パーツなどの欠損や不具合を考えて2つ一緒に製作。

雲は寸法を変えたので、全ての型紙を描き直した。

Dsc03775

  新しく製作した雲の紙型 左のMDFで製作した型はモーターとの取り合い確認用

理屈では無い、気持ちにすっきりと収まる形を納得のいくまでひたすら描き探す。

Dsc03733

              型紙で写し取ったラインを糸鋸で加工

Dsc03821

             内部の加工をしてクランプを使ってプレス

Dsc03734

          木鼻の加工この厚さでも膨らみが無く直角が出ている

木鼻のモチーフは龍もあれば象、獅子、鳥、植物と多様。

象鼻を雲で表現したシンプルなデザインをベースにした。

パワーのある糸鋸のお蔭で加工にストレスが無い。

横に砥石を置いて雲と木鼻の彫刻。

彫っては研いで。

研いでは彫って。

ここは面白いところ。

龍が天に昇ると言われる〝春分の日〟に間に合わせられる様にと少しピッチをあげての製作。

Dsc03758

       仕事場での試運転 長時間動かす事で出てくる不具合を回避する為

試運転の時間がもう少し欲しかったが、19日に常連のお客様方に助けられて無事取り付けを終える。

Dsc03861

Dsc03862

宝珠を追う龍。

大きな守護神も見守っている。

小さな作品だが込めた思いは強い。

宝珠を追いかける龍を見つけた人に何か嬉しい予感が宿ってくれたら幸いです。

※動画はこちらか→天駆ける

 

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2014年3月19日 (水)

糸鋸・・・・・・・

 先日の仕事で活躍したのが新しく購入した電動の糸鋸。

Dsc03615

    小さいパーツを木製のクランプで挟んで加工 安全で正確な加工が出来る

買い換えは昨年の暮れから考えていた。

今まで使っていた糸鋸は「これが有れば少し加工の幅が広がるかも?」程度の考えで近くのホームセンターで衝動買いしたモノ。

それでも20年近く使った。

今ある作品の殆んどはこの糸鋸の世話になっている。

壊れたわけでは無いが、もう一つ上に行くには・・・・・・・・・そんな欲求が頭を持ち上げた。

「作品の出来を道具の所為にはしたくない!」と言った同じイベントに参加した作家の言葉も後押しになった。

彼の使う糸鋸は海外の有名メーカー品。

作業の効率化と加工性能を考えての買い換え。

質も勿論だが量に対応する事も考えた。

今までは量には殆んど対応出来ていなかった。

攻めの選択。

予算、機能、デザイン・・・・・・・どの糸鋸にするかは迷いに迷った。

何とか国産のメーカー1社と米国のメーカー2社まで絞り込んだ。

これだけ決断力が無いのかと自分で思うほどに悩んだ。

試す事が出来れば即決出来る自信は有るのだが、人のレビューでしか判断出来ない。

ネットの動画などで確認すればする程、迷いは大きくなった。

その情報を大蔵省でもある連れ合いに逐次話した。

価格で言えば、ボツにしたドイツのメーカーを別にすれば残した国産のモノが一番高い。

現在使っているものが3台ほど買える値段。

性能を考えるとその値段も納得出来る。

悩みぬいた末に決めたのは国産のモノ。

駆動のシステムが使っていたモノと同じである事とメンテナンスを考えた結果。

メンテナンスと言ってもよほどの事が無い限り故障は考えられない。

今まで使っていた糸鋸も今まで一度も故障した事がない。

もし身内が糸鋸を必要とするならこの糸鋸はひ孫の代まで故障知らずであろう。

注文してからの組立てなので、手元に届くまで2週間ほどかった。

35㎏と結構腰に来る重さ。

この糸鋸で迷ったのはこの重さと騒音。

国産の駆動システムは性能が良くなればなるほどモーターの関係で重量が嵩む。

連れ合いに手伝ってもらって2階まで上げた。

専用の台を製作しようと思ったが、急ぎの仕事の真っただ中。

取りあえず使っていた糸鋸を直して、その台に乗せた。

予想していた事だが、モーターの振動が前の比では。

今度の糸鋸にはスピード・コントローラーが付いているのだが、目盛の半分ほどノスピードで運転すると、乗せている台が振動しはじめる。

マックスでは家が揺れる。

防振パッドで何とか作業出来る程度まで振動を緩和させた。

2㎝ほどの厚さの板で試し切りをしてみた。

モーターのパワーがそのまま糸鋸の刃に伝わってくる。

低速ではどんな堅木でも楽々と切れそうな気配である。

勿論糸鋸の性能が良くても刃がお粗末ではその機能は半減する。

著名な木工作家から勧められたK製作所の手仕上げのモノ。

加工の材料を考えて3種ほど揃えているが、どの刃を使っても切断面はペーパーかけなどの仕上げがいらないほどにキレイである。

永い付き合いになる道具を手に入れた。

後は自分のデザインや技術が試されるだけだが、道具一つでこれだけ気持ちが高揚するのかと言うほどにワクワクしている。

仕事の楽しさが倍増した。

このワクワク感を作品に繋げたい。

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2014年3月13日 (木)

オーダーメイド・・・・・・・・

 今年に入ってからオーダーの仕事が続いている。

オリジナルとはまた違った面白さがある。

対象が明確なのでその部分を掘り下げていく。

紹介する作品は私のオリジナルのクリップシリーズのDOGバージョンをベースにしているがオーダーメイド。

義姉の家族同様だった愛犬が今年のはじめに亡くなった。

「思い出に」と依頼された。

作品が誰かの助けや役に立てる事は作者冥利につきる。

「ハートバード」の思いと通じている。

そんな思いを受け止めながら製作した。

私が撮りためていた写真を10枚ほどプリントして机の傍らに置いた。

製作するのには理想的な資料ではなかったが、印象や自分の中にあるイメージを大事にした。

Dsc03683_2

顔を彫り進めては資料と比べてみる。

小さい作品だけに㎜の差で印象が変わる。

オリジナルとは少し製作方法を変えた。

顔の部分はブロックから彫り上げた。

彫刻刀を使っての加工は楽しい。

彫りすぎると治す事の出来ない緊張感がよい。

顔は何個か製作した。

一番良いものを形にした。

Photo

義姉のお友達の愛犬も一緒に製作。

クリップを押すとオリジナル同様に前足を上げてワンワンと語りかけてくる。

Photo_2

    既成の箱に蓋を製作して送った 箱から覗いた可愛さに思わずパチリ

少しでも気持ちが癒されたらとの思いと一緒に既成の箱を加工したゲージに入れて送った。

※ハートバードによる支援を友人のYumicoさんが自身のブログ「時空カフェ」で紹介して下さっています。

ありがとうございます。

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2014年3月 3日 (月)

続けて・・・・・・・・・

 製作日数40日。

一日平均15時間、のべにして600時間。

密度の高い毎日だった。

製作物は先日プロジェクトの事務所に運んだ。

仕事はまだ終わって無いが、今回の仕事は学ぶ事が多かった。

仕事はデザイナーのT氏の図面を読み込むところからはじまった。

「好きに製作していいよ!」と言ってはもらったが、やはりデザインの意図をしっかりと理解してからと思った。

思考や詳細を覗き込むルーペを使って丹念に図面やパースを捲った。

T氏の考えたストリーやコンセプトを丁寧に拾い上げた。

こだわりを感じる構成やディテール・・・・・・・製作が難しいと感じた箇所もあったが、ハードルはヤル気に変換。

資料を貰った次の日にベースになるパネルの製作に取り掛かった。

2、3個のパーツを製作した時に仕込み(製作の前準備)の重要性を感じる。

時間は限られている。

段取りよく進めないと納得出来るものが出来ないと不安な気持ちになる。

製作に取り掛かる前にドラマで観るドクターの様にイメージトレーニングをした。

この材料をこんな風に加工してこのパーツを組み合わせて・・・・・・このイメージトレーニングで使う材料や道具を明確にしていった。

大袈裟なモノでは無いが必要と思った工具の改造、治具の製作もした。

イメージが上手く出来ると、実際の製作も上手くいった。

慌てて無防備に進めたりすると、つまずき無駄な作業を強いられた。

イメージトレーニングはラジオ体操同様に日課になった。

デザイナーのT氏と前述したプロダクトデザイナーのH氏協力やアドバイスは心強かった。

近くのホームセンターにも助けられた。

必要な材料は10分足らずで調達出来た。

Photo

          買い換えた糸鋸と1/60で製作した点景の人形高さ2センチ強

タイミングよく届いた買い換えた糸鋸も活躍した。

高性能な道具は難度の高い加工のストレスから解放してくれた。

集中出来る環境を作ってくれた連れ合いの協力にも感謝。

後は良い結果を待つだけ。

今は一息入れる事なく次の製作に入っているが、私の仕事の区切りを観ていたように、今度は連れ合いに期限のある仕事が入った。

布仕事だがこれもはじめての仕事。

一つ一つは小さなモノだが数が多い。

夜は私もお手伝い。

ものは変わっても仕事に取り組む姿勢は同じ。

いろいろと工夫を凝らして精度と効率を上げている。

段取りや仕込みの大事さは前述した仕事で学んでる。

ネットのお世話にもなった。

木工や金工とは違うがやはり治具も提案した。

誰かに教えたくなるような名案。

仕事の効率は2、3倍は上がったと思う。

連れ合い共々少し気持ちが楽になる。

まだまだ先は長そうだが、楽しくやれればと思っている。

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