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2015年4月

2015年4月21日 (火)

手を作る・・・・・・・・

 ITOSAURUSを連作してる。

その製作の過程で、ある作家の作品をふと思い出した。

正面から観るとヴァイオリンを弾く人の造形だが側面から観るとピアノを弾く人。

正面からは「女」と言う文字の造形が側面から見るとグラマラスな女性の造形・・・・・・・この不思議な「二つの形を持つ一つの立体」は日本のエッシャーとも言われた故福田繁雄氏(1932~2009)の作品。

そのアイディアににも驚いたが、興味は発想からその加工方法に変わった。

レーザー?水圧カッター?

加工の方法は何となく理解出来たがその大きさをどんな技法で可能にしたのか?

「この大きさをどの様な方法で製作したのか?」

加工の不思議さもその作品を魅力的なものにしていた。

その作品を思い出したきっかけはキャラクターの「手」を加工していた時。

正確には手袋を装着した手。

イメージはバイカーが着けるレザーのグローブ。

6㎝×2㎝のは白木のブロックから加工。

小さなモノ。

Dsc06571

ブロックの上面に手袋を上から見たデッサンを描き、側面には横から見たデッサンを・・・・・・・。

ここで福田繁雄氏の作品を思い出した。

私の作るものは小さいので、糸鋸の刃のストローク以内だったら容易に加工は可能。

福田氏の作品は大きさが違う。

小さいモノであれば福田氏の造形もこの方法で加工が可能。

Dsc06572

まずは電動糸鋸で5本の指が書かれた手袋上面のデッサンを切る。

丁寧に切り進める。

Dsc06573

切り終わるとデッサンの形はブロックから外れるが、マスキングテープでその場に止めて側面の加工に入る。

ブロックの中には5本の指を持った手袋の形が入っている。

どんな形で出て来るのか?

Dsc06574

側面のデッサンを切り終える。

Dsc06575

マスキングテープを外して中の形を取り出す。

5つの不思議な形がブロックの中から・・・・・・・。

大きさは違うが福田繁雄の造形にも似た面白い立体。

Dsc06576

必要なのはこの部分。

Dsc06577

不必要な部分を削って、親指の部分を加工すると求めていた手袋の形になる。

これを丁寧に研磨して仕上げる。

Dsc06580

残った形も面白い。

大きくしたら面白いオブジェになりそう。

製作の過程でいろいろな事を思い出しながら刺激的な発見もしている。

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2015年4月14日 (火)

ITOSAURUS・・・・・・・・・

 前回のプーリーを使った新作。

Dsc06507

Photo_3

恐竜をモチーフにした作品は過去にも数多く製作している。

Dsc06515

前の工房の所在地からMOMOCHIRYUなどと名前をつけた。

今回の作品はスチームパンクをこよなく愛するS氏から頂いた情報や映画「ナイトミュージアム」の最新作に刺激を受けての作品。

この作品の完成形はもう少し先にある。

いろいろな可能性を模索したい。

そう言った意味では完成形を確認する為の要素も多分に含んでいる。

化石のトカゲはオリジナルのデザイン。

現在の工房の所在地にちなんでITOSAURUS(伊都の恐竜)とネーミングした。

「仕事が楽しければ作品は面白くなる」と前に書いた。

時間は掛かったが製作は大いに楽しんだ。

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2015年4月 7日 (火)

創意工夫・・・・・・・・・・

 治具の話は何回かしてきた。

確かに治具があると正確で効率の良い仕事が出来る。

同じモノを数作る場合などは絶対と言って良いくらいに必要。

今回製作したのは、以前に紹介したバンコードと言う素材を使ったプーリー用のベルトを製作する為の治具。

Dsc06411

オートマタには動力の伝達と変速を可能にする歯車やプーリーは必要不可欠なパーツ。

滑らかな動きは歯車やプーリーあっての事。

Dsc06427

二つの歯車を組み合わせた場合、お互いの回転は反対に回転するが、プーリーを使った場合は回転の方向は同じ。

プーリーの特徴でもあるが、ベルトを捩じったりすれば回転の方向も向きも変えられる。

歯車を同じ方向に回転させる為には奇数の組み合わせが必要になる。

仕掛けのレイアウトにも制約が出てくる。

Dsc06412

数年前には決められたサイズのベルトしか無く、プーリーの構成にも制約があったが、長尺のウレタン製のコードが出て来た事でプーリーの使用頻度の幅は広がった。

コンパクトなレイアウトも複雑な加工も可能になった。

ここで治具の話。

このプーリー用のベルトは任意の寸法で製作出来るのだが、その繋ぎ合わせを正確にするのはかなりのテクニックが必要。

私は直径2~3㎜のコードを使用しているのだが、その2~3㎜の断面に熱を加えて正確に接着しなければならない。

専用の接着道具もあるようだが、かなり高額。

情報が少ない為、その正確さも分からない。

Dsc06416

コードの切り口に熱を加えてノギスを動かす事で接着する 切り口をセットするのに苦労する

今までは上の写真の様にノギスを使って加工していたが、セットする時間と正確さに問題を残していた。

3本製作して使えるのは1本・・・・・・・そんな感じ。

そこで製作したのがこれ。

Dsc06418

Dsc06419

   2本の丸棒を軸にコードと同じ幅の溝を持った木製のブロックはスライドする

製作は15分も掛からなかった。

2本の直径8㎜の丸棒と2つの木製ブロックで製作。

2㎜、3㎜のコードに対応した溝を持つ木製のブロクは2本の丸棒を軸に正確にスライドする。

Dsc06413

使い方は簡単。

コードを溝に沿わせてテープで止める。

多少コードに曲がりのクセがついているので左右のコードの断面が正確に接するか調整する。

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コードの断面に熱を加えるのは、万力にセットしたカッターの刃をバーナーで熱したモノ。

この刃でコードの断面に熱を加えて、素早く治具をスライドさせて熱で溶解した断面を接着する。

Dsc06415

                 この状態で正確に接合されている

Dsc06417

接着部分は溶けて盛り上がっているので、カミソリの刃などで切りとる。

これで自由なサイズのプーリー用ベルトが加工出来上がる。

かなりマニアックな話だったが、製作ノプロセスで必要になる創意工夫は作品の質を向上させるともに仕事を楽しくする。

仕事が楽しくなったら作品は面白くなる・・・・・・・・と、思っている。

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